山田有浩 / Arihiro Yamada

Information of Arihiro Yamada (dance, butoh / ダンス, 舞踏)

12月13日 月曜日、小雨。








小雨降りしきる冬の夕刻、樹に群れる鳥たちがひどく騒ぎ立てる。
白い花が咲く道を通って、武満さんを聴きにゆく。
唄に始まって、コラージュ、タップ、プリペアドピアノ、薩摩琵琶、骨壺、四重奏、ハープ、バンドネオン、テープ、サックス、、、……なんとも贅沢な夜だった。

ベトナム料理屋でサイゴンビールを飲んで、歩いて帰った。夜の渋谷は靄がかかっていた。
少しずつ寒くなってきたものの、冬らしい艶のある空気がなかなか覆ってくれず、味気なく感じていたものの、このしんとした雨が招いてくれる。
雨の夜の音が、やはり好きで。
部屋の窓を開ければ、深夜であっても車の音は遠くからしずかに響いてきて。
遠くから、電車の音が響いてくる山奥の深夜、故郷のこと。
冬の日本海に面した村の宿屋で夜に聞いた音、大きな波の、降りしきる雪の、音、などを思い出し、。

クロネコがニャーと鳴く。お風呂場の扉が閉まっていた。
段ボールにたくさん頂いていた柿が既に熟れはじめている。早く食べてしまわなければ。最近は、会う人会う人に、少しずつお裾分けしている。


先日、先祖の写真を整理していて、現在私が働いている場所に面する通りで祖父が撮っている写真が出てくる。


大つごもりに向かい、こもってゆく季節、冬、増ゆるために、篭る、籠る、隠る、、、、身体も内部の芯に向かい、骨が しんとする、骨も響きやすくなる、音が空気を響きやすくなる、身体をばらばらにして、身を任せた、「他者」とのあいだに、はさんでゆく……、ゆこうとする…、丁寧に、丁寧に…、……、。