山田有浩 / Arihiro Yamada

Information of Arihiro Yamada (dance, butoh / ダンス, 舞踏)

2012-01-01から1年間の記事一覧

10月(文字)。

10月。 神さまが居ない。 ただ音だけが鳴っている。 風に草葉がうまれでて、しづかに雨がたちのぼり、 世界がささめきはじめたのは、 何世紀も昔から流れ着いた影の足のたて音、。 幽暗の中からあらわれる、からっぽの器の中央に 月と記すたびそこに月がうま…

8月30日

未来から襲いかかる時間 真空な状態をつくること の為の詩 映像 音楽 絵画 彫刻 身体 空間設計 言葉 言葉 言葉 感受性を如何に開いてゆくかは 私には死活問題だ 充足した身体には分かるまい (詩を持つこと) とヴェイユは云った 合わせていた右腕と左腕が …

輝ける人影

鈍色に輝く海原を黙して見つめる人影の気配。 ここから先へ立ち入ってはならぬ者。 魂の行方を見つめる者。 身体という場。 あらゆるものを無化し受け入れ匿う混沌と浄化と流動の絶え間なき処、虹の下、。 定期的に結界/境界を張る行為。 肌から始まる。感…

7月20日 曇り。

南で降りると 蝉が鳴いていた 早朝のしづけさのマツリの社 遠い昔 貿易で栄えた港のしなびた街角の影 これからは績む世紀だとすすむひとよ これからは網の世紀と歩みしひと わたしはまた此処に戻りました 人の汗 血 涙 手 半分の糸 糸と泉 幻影に直に触れる…

6月21日 曇り。

20日、お越しくださった皆さま、共演者の皆さま、いつもお世話になってるスタッフ様方、そして見に来れずとも思いを飛ばして下さっていた方々、どうもありがとうございました。 まだまだ精進が必要です、まだまだ先へ行きます。 今晩はなんだか焼酎を飲ま…

いし、はな、まつ、いし、

かこう、 わたしはいま、いしのうずまくとちにいる、 みずのうずまくちでもある、 はるばるとにぎわいのまつのしまをぬけ、 かんいなぶるぅしぃとのやねのしたでいそをやくひとびとはかぜにきえ、 せいれいのいねのなみだつそよぎのさざめきにふれた、 りく…

5月31日 曇り

しばし音の沙汰を消したまま 北の地を彷徨い歩く あ、ここにもまた水だ、 となんども呟いて それぞれにまったく異なる表情と奥行きをもった人たちと遇う 磁場というものはこれか 奥深さとはこれか 遠さと近さ 闇の深さと光の強さ 沈黙した魁偉な不動の存在感…

感触の成就としての物質の形態のこと

ほら、私はこうやって、きちんと想いを遂げられぬ侭にしてしまう。 それは相手に対して失礼だ。 ちゃんと自分の事には最後迄責任を持って! 自分の身体には!自分の感受性には!自分のヴィジョンには! きちんと輪郭付けてあげる事、 それがきっと、成就させ…

皐月

一日 土ノ中カラ生マルル太陽ノ昼、月影ニ映リシ蜘蛛巣ニ吊ルサレシ女ノ影ノ夜、純白ノテーブルクロスニキャンドルノ灯ト赤黒キカクテルトロングピースノ煙ノ立チ昇ル。 二日 雨ノ緑ノ影下ノ水中ノ朱ノ鯉トお河童ノ細身ノ女ニ白黒ニ雪駄ノ袂ヨリ萬札取リ手渡…

四月。

四月一日(晴れ) (夢、倫敦郊外のかつてよく通った田舎道、林と苔蒸した石塀と小さな川の流れ、道を歩めば少しずつ水嵩が増してきており終いには溢れかえり水没している家々、塩分が含まれているのか、床や家壁は崩れ落ち剥き出しになっている、黒き染みだ…

三月。

一日(晴れ) 相変わらずの雑魚寝より起床する。 タイトルが決まった時点で出来上がったようなものなのかも知れぬ…。/足穂は何処かのインタヴューでジェンダーの問題でも欲望や快楽論でも宇宙感覚を取り戻すことから考えなきゃならんと説いていたけれど、其…

二月。

1日(晴れ) (夢、覚えていたも忘却す)。 強き風に何台もの自転車が飛ばされている、太陽の光の紙面をうつろう、新聞紙を捲る様に書物捲る。 いつも着ている穴の開いた黒きタートルネックは亡き人の形見なのであった。あの日からもうずっと年の瀬の様なし…

一月。

1月8日 御挨拶が遅くなりました、あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 昨晩、目黒区に戻りました。焼酎饅頭を持ち帰りました。挨拶に行きました。晩に髪を切りました。 宮本常一や荘子やつげ義晴の随筆を捲ったりしながら、車…