11月16日 火曜日、晴れ。
人生の中のほんの十分間で、ちかくの観音さまのところへ行く。
そのほんの十分間の中で、パラパラとやってくる雨はすっかり大降りになる。
あと五分程で店を開ける銭湯の前で、老人たちが雨宿りしながら会話に花を咲かせる。
公園の前で黄色い傘をさして歩く女の子がお友だちを見かけて大きな声で呼びかける。
大きな木の下で遊ぶ子どもたちは散り散りに家へ帰り始める。
置き去りにされた男の子は(ちょっと待ってよー)と自分の自転車を動かそうとする。
冬の雨の色に包まれて。
毎日、生姜入り蜂蜜レモンをつくる。
珈琲という飲み物、の魔術的なこと、に惹き付けられている。
冬の光。
祈り。
しづかなこころで。研ぎ澄まされた明晰なこころで。平静なこころで。
孤独の足りなさが仇となりうる。
どこかから煙りの匂いがしてくる。
わたしがその時そこにいられない、ということもまた、愛せますように。
わたしの全然知らない世界があってくれて、どうもありがとう。
わたしの体験することもできない世界が広がっていてくれて、どうもありがとう。
わたしたちを水面下で支え、目に見えないところでつないでいってくれるものがあってくれて、どうもありがとう。
***
18日の重力の水面の演奏、
お時間ある方は是非ともよろしくお願いいたします。
出演は20時15分から、青山の月見ル君想フです。