山田有浩 / Arihiro Yamada

Information of Arihiro Yamada (dance, butoh / ダンス, 舞踏)

11月14日 日曜日、曇り。






世界がやけに妖しい薄紫色に染まっている。
銀杏並木を進む。
干し芋を含む。
年寄りが子どもの手を引いて歩く。
子どもの声が夕闇に遠く木霊する。
近頃、さまざまなことを思い出してはすぐに眼から水が溢れる。

体質が変化したことを実感する。
必要なエネルギーを採るためにしっかりと食物を身体に入れなければ。
都会の暮らしは不規則で、ナイーブになっている身体には少々負担が大きい。
身体を壊すことなく乗り切る。

キャンドルの庭。
樹の枝に布を垂らして。
冬の空気。
通りのお線香の匂いがいとおしい。
そんな人たちを隣に見て、留まることの出来ぬ自らを鼓舞する。

自転車のチェーンが外れる。
自転車屋に持ってゆく時間もない。
郵便物を受け取る時間もない。
そういう時期なのだろう。
季節は変わりゆく。
生きるということは、なんとあらゆるものから遠いことか。

息をつく間もなく次の地へと向かう。
無意識に任せよう。