山田有浩 / Arihiro Yamada

Information of Arihiro Yamada (dance, butoh / ダンス, 舞踏)

12月31日金曜日、晴れ。





最後の朝もラジオ第一放送から。生活のなかの僅かな変化をも温かく丁寧な感性で綴られているメッセージの数々にこころ和む。
白系のタートルネック。今年中の作業を行う。

(人と人は決して別れられない。出会うだけだ)ということばに、だからこその更なるつらさ、孤独を思う。全身で生きてゆく姿、全力で"現在"でありつづける姿、引き裂かれながらもギリギリのところで直立しながら唾を吐きつづける姿、巨大な一個のうねりのような存在に打たれる。

新宿に苛々しながら歩いた。
kocorono」と「感受性応答セヨ」と。
トリオ・メディイーヴァルとオルフェイ・ドレンガーに魅了される。「猿」に衝撃を覚える。まだまだやり残されたことはある。マクミランの「ロミジュリ」も圧巻。

お鍋をする。
大雪が降り積もった実家、祖母はひとり家に取り残されていたけれど、電話の声は活き活きとしておりなにより。「生きていればいろんなことがある。こんな年もあるのよ」。
明けてから、
近所の六つの寺と一つの神社を参る。煙りが立ち昇る。街はお香の匂いに包まれて、トーンの違う鐘の音が至る処からゆっくりと響いてくる。午前一時を過ぎてもこの日だけは、ここの小さな商店街も和やかな灯りに包まれて賑わっている。ケーキ屋さんも居酒屋さんも人が入っており、双子の女の子がストーブの前で小さく温まる。甘酒と焼き鳥を食す。水を一度掛け、鐘を二つ打つ。

救急車が忙しい深夜には美空ひばり特集。

直立する感受性、としての、ことばを綴られれば、ということになる。夕方まで何もなかったのに、おびただしい量の絵馬とおみくじが吊るされ、括りつけられている。石を拾ってかえる。