山田有浩 / Arihiro Yamada

Information of Arihiro Yamada (dance, butoh / ダンス, 舞踏)

2014年、踊り納め。

【第五夜】
2014年12月20日 19:30開演
山田有浩 独舞 × キリ・テ・カナワ『オーヴェルニュの歌(選集)』(クラシック声楽)

場所:きいろろ聡明堂(東京都 北区堀船3-27-11)
料金:¥1,000
予約:acogigensoukyokudai0202ban☆yahoo.co.jp(☆→@)

シリーズ最終回となる。
毎晩、異なるジャンルからの音盤を一枚通して流しながら、それと対峙する即興独舞シリーズ。
�@フリージャズ、
�A韓国のサムルノリ、
�BJ-ポップ、
�Cエレクトロニカ
に続いく、�Dクラシック声楽。

どの音盤も、異なった意味での揺らがなさを持ち、また、それぞれがまるで異なったベクトルを向いていたので、毎回、挑むような心持ちであった。
当然、これまで、どれ一つとして似たような踊りになることもなかったが、
おそらくこのシリーズで対峙してきた音盤たちの持つ様々なベクトルは、
踊り手自身の中にもあらかじめ潜在していた多様なベクトルの反映であったのだろう、
と、今となって気付いている。
つまり、これらの音盤によって、踊り手の中にあらかじめ眠っていたものが、より明確に引き出されることとなった、ということでもあったと思う。
無意識に、そのような選曲(?)を行っていたことになる。

しかしまだ最終回は終わっていない。
キリ・テ・カナワは、現代ソプラノ歌手の中でも、もっとも人気の高い実力派の一人。
楽曲は、フランスのオーヴェルニュ地方の民謡をもとに編曲された歌曲集。なかでも、「バイレロ」は舞台でも使用されることが多い。
戦闘態勢で挑むには、まるで似つかわしくない美しい歌声に華麗な管弦楽。こいつが罠であることは云うまでもない。
踊ろうと思えばいくらでも容易に踊れる音楽の前で、再びなすすべもなく立ち尽くしてみるところから始める。



【シリーズ概要】「身体を音楽に開け渡さぬこと。圧倒的に揺るがぬ音盤、各晩一枚を前に、それに身を任せることを徹底的に拒否しながらも、身体を閉ざすことなく如何にして共に在ることが可能か、という試み。自分の身体にもっと適した音楽はあるでしょうが、その踊りにくさと敢えて対面する必要を感じる音盤を選んだ。なすすべを失うところから始めなければならない。五回シリーズ。」