04月09日 土曜日、曇り。
あまりの強風。
雨濡れた桜を愛でる。
クローンの美に群がる。
水面に波打たれ渦巻く花弁の流れの妖艶さに
生命力の得体の知れなさを見る。
古典を音読す。一拍子。
古人の足跡をなぞる。
判子を頂く。
想ってくれる人の有りがたし。
一日に、三人の方と、世阿弥の話。
夢うつつと、虚と想像力と、離見の見と、。
人間の持つ可能性を最大限に押し広げようとした。
茶道や絵巻物に見られる時間性、
一器多様であることの意味、
つはものどもが、夢のあと。の視点、
この列島の風土とどのように関係しあっているか。
ぼんやりする人の背中、について。
公園にてホームレスのおっちゃんと談話。
人生の、夢の、生きようとすることの話など。
プリンを食べる。
スケールの大きさを、経験の振り幅の広さを。
懐かしき匂いとしょっちゅう遭遇す。
「ふるさと」も、「この道」も失われても。
記憶の場所、歴史が失われても、根拠が失われても。
人と人とのあいだに灯す、、。
人と別れる際、いつも握手する。
ノルマンディーへと帰るI氏との、
台北へ向かうY氏との、
堅い握手の感触忘れられず。
そこにある決意。
いつか憧れた場所に傘を忘れる。
ふさふさの白猫に見送られ。
もはや帰れじ。
帰る家もなきことを思う。
人間。
この街はいつものように
深夜三時半の暗闇にサイレンの音響き渡り。
まだ少し寒き四月のこと。
深夜に一人、茶漬けを食す。
明日も朝から地下鉄にて。